はえちゃった(test)の続きから終りまで。
杏子が体勢を変えると、股間にぶるりと寒気がした。
「……ち」
舌打ちをひとつ。目の下が赤い。
濡れているのだ。
頬に血が登る。下を向いて歯を噛み合わせる。他人の淫液の匂いが鼻腔に上がってくる。使い魔が集り、模した男性器を咥え、友人の恍惚を見て下着を汚した。魔法少女になったというのに。この肉はもはや、本当のものではないのに。なのに、内側に火が灯ったかのように、熱い。血が流れている。あれを飲み込んだ胃と臍の下からこみ上げる熱を帯びた怖気。それは背筋を通って、杏子の脳に至る。さやかの目が上から語る。
――へえ、あんたもそんなにスケベなんだ。
ぞくり。
「あ、あああ、ああっ!」
さやかは口を開いていない。けれど、「そう言っている」のと同義であったし。杏子の身体は、果たしてその言葉を求めてしまっていた。変化が始まる。キュウベェに心の奥をまさぐられ、人ならぬものにされてしまった時の如く揺るがす変化。
震えが足の指先から発し、一気に、脳天の上まで走り抜けると、全身の水気がかきだされたようにじわりと流れ出してしまう。
「あ、あ……」
気丈さ、気高さ、孤高、烈火の如き勇ましさ。生き残る為に纏った弱肉強食の哲学――そんなものは全部、弱々しい嬌声に溶けて流れ出してしまう。そう、杏子は、始めての絶頂に襲われていた。多幸感。ぐるぐると巡り、脳裏に閃く夜よりも暗い星が次々と次々と落ちてきて、杏子の先端から蝕んで行き、身体の中心で爆ぜていった。
そして、違和感。股間の重み。全身の血がそこにあつまってしまったかのような、鈍い、痛み。さやかのとは違う漂白剤のごとし香り。液体が気化して冷えていくその部分は自分を構成していた魔力が集められて、冷える先から熱を持っていく。それが手に取るようにわかるのに、杏子はただおろおろと、その現象におののいていた。
股を守る薄布を、それに引っかかりながらおずおずと下ろしていく。下ろしたくなんかなかった。杏子はさやかに悪いことをしたと思う。こんなものが突然生えてしまった、つい先日まで普通だった女子に「しっかりしろ」だなんて、どの口がいえることなのか。こいつは自分と違って、いや、同じだ。同じバカヤロウなのだ。
同じだからぶつかって。
同じだから――。
ああ
ああ
スカートをめくると、さやかと同じ男根がしっかりと杏子の股座に生えていた。
それは指し示す。杏子本人よりも雄弁に彼女の情動を語る。脈打つ欲求が魔女の如き淫奔さをもって、目の前の対象に想いを遂げろと囁く。神経の如きものが通っていて、制御はできないくせに、感覚だけはしっかりと杏子の脳に伝えてくる。
「あ、ああ……ふぁ……」
せつない。切なさのあまり甘えた声が出る。もはや互いの中に当初の目的は、大意は、どこかに行ってしまった。今はただ、お互いの欲望を認めて慰めあうことが幸福なのだと信じられるのだ。
――願ってもない。
「きょう、こ」
ぞくり。
――今、名前を呼ばれただろうか?
佐倉杏子はずっとさやかに「あんた」と呼ばれてきた。その理由は明白だった。彼女の思い人は、思ってその身を魔法少女なんかにやつした原因の男。それでいてこいつの想いに気づかずないがしろにした、恨むべき男。その男の名は杏子の名によく似ていた。
「あ……いま、なんつったァ?」
口から出る言葉はいつもの通り乱暴だ。けれど、顔は笑っていられているだろうか。快楽と期待に汚されていても。この気持ちが伝わってくれることをひたすら願う。とろけた口元から雫を零しても許されることを何よりも祈る。
「かわいい、杏子」
さやかのスカートはもはや膨らんでいない。きっと、この使い魔は渡り歩くのだ。そして、住み着かれた宿主にかつてない快楽をもたらす。だから、それを杏子に譲ったさやかは、使い魔に情動を支配されていないはずだ。でも。
――でも。
さやかは今、こんなに妖艶に杏子の名前を呼んでくれた。かつての男を忘れたかのように。
さやかはさっき、杏子がそうしたように膝を折ると、唇を広げ、手袋のまま杏子のスカートの中に手を伸ばす。淫液が、手袋にしみていく。汚れていく。
「杏子、舐めるね」
杏子が頷くのも待たず、さやかは杏子のものになった屹立を咥えた。頭の後ろに直接電気を流された様な快楽に、杏子はもう我慢を知らない赤子のように叫ぶ。我慢することもできただろうけれど、声を、自分がさやかに名前を呼ばれて嬉しいのだと主張してやまないくらいにさやかの名前を呼んだ。
ほどなく杏子は仮の精を吐き出させられる。ソウルジェムの濁りみたいに渦を巻いた白濁が、さやかの口内に吐き出される。杏子は知らず、さやかの頭を抑えてしまっていた。なのに、さやかは抵抗せずに喉を鳴らしている。
杏子の手は離れていた。霜の振った夏のアイスが溶けていくように、攻撃的な欲望が逃げていくのがわかる。それでも、使い魔が宿る前とは比べ物にならない、もやもやとした煩悶が水銀の雫みたいに、杏子の頸から子宮に落ち続けて、不穏な水溜りをなしている。下半身んを見ると、不格好な茂みがあった。かき分けても、獣はいない。ただ、元からあったものがある。それのことを杏子はほとんど知らずに来たし、知る必要もなかった。
けれど、そこに触れてみるとじんと鈍いせつなさが奔る。さっきのに比べると物足りないけれど、確かに自分の中から出てきた感覚だった。屍肉とは思えないほどの鮮明さ。確かめる為にもう一度おっかなびっくり触れる。ぞわぞわと唇がかわいて、体が伸縮する。
「気持ちいい?」
「あ……ああ」
さやかが、見下ろしている。
虚ろな――、のぼせた瞳で。またスカートが膨らんでいる。さやかは、さっきまで打ち捨てられていた曲刀を携えている。それを喉元に当てると、ぼうと股間に指を這わせたままの杏子の前で、すーっとその刃を下ろしていく。魔法少女の衣装が正中線で裂かれて、さやかの肌が露わになる。股間には、さっきより心持ち異形さを増したような屹立が聳えていた。
「じゃ、私の番ね」
杏子は頷く。
さやかは返す刀を、杏子の喉元に当てると、さっきよりゆっくりと刀を下ろしていく。繊維の弾ける音がする。杏子の呼吸で上下する胸膜の力をうまく使って、切っ先だけで衣装を裂いていく。あかいあかい衣装が裂けて、少女の肌を曝す。
杏子もさやかも一言も発せず、それを見ていた。
きっと、さやかも、杏子も気づいている。
この連鎖は終わらない。さやかと杏子のどちらかが消耗し、枯渇し。もう片方が情動に脳を焼かれて終わるのだ。そんな終わりが明白でも、快楽を貪るのを止められない。止めない。
「さやか、さやかぁ……」
「なに、杏子」
だって、ほら。
名前を呼ぶと、笑える。
ひとりぼっちじゃ、ないから。
互いのソウルジェムを撫でている。
魔法少女たちが、くちづけをかわしている。
ミトセさんが書けって言うので。
姫騎士陵辱を30分で書いてみよう。
“アルクトゥルス”が、墜ちた。
その報を受けるや否や前線魔術師隊二ノ杖・キベロノィ=ガルガコルは傍杖が止めるのも聞かず、直ぐに物見櫓に走り、魔方陣を敷いた。天狼の加護ははあやまたずキベロノィの足を疾風で包み込み、僅かの間なりとも、千里を走る神馬に匹敵させる。星穴獣”サーペンタイン”二匹を縦に並べてもまだ余る城壁を、尖った岩の待つ地面に向かい躊躇なく跳ね、落ちる足で城壁を蹴り飛ばす。落ちながら唱えていた第二の魔方陣にて妖鳥との加護を果たすと、キベロノィの前の空気が割れて、見えざる道を為した。
傍杖たちはようやく陣を敷き終えたばかり、それを待っては居られなかった。
「(無事で――)」
妖鳥の加護はキベロノィの言葉を打ち消す。それは呪文であってもだ。それでも彼は己の上官、そして美しき救国の英雄の無事を祈らずにはいられなかったのだ。
そして心の内のどこかで、あの美しき英雄が今陥っている状況を思い描いてしまい、首を振る。
「(今はただ――馳せ参じるのが……先決!)」
壮年の魔術師の喉に、つばきが落ちていく。
音は、しない。
“アルクトゥルス”ことワネキアリア=エヴィノフィア――通称、姫騎士アリアは日の落ちた森の中、一人さまよっていた。
「――は……」
まったく、指揮官としてあるまじき失策であった。キベロノィの言うことを聞いていれば、こんな無様なことにはならなかったろう。帰ってお節介な壮年魔術師の髭を何時間眺めていれば、同じ事を繰り返す説教から解放されるだろうかと、考えていた。
まだ、それくらいの余裕はあった。
だが、手勢とははぐれ、魔の森と名高いニブユロの闇で一人というのは余りにも悲壮な状態と言わざるを得ない。これが、辺境でなく戦時中であったなら、たとえ王族縁の英雄、”アルクトゥルス”といえども、木台に乗せられるのを拒めまい。ただでさえ、今は外患を一掃した後の内憂に立ち向かっている時なのだから。
しかし、キベロノィの説教を聞いていると、まだ年若いアリアはつい、反抗をしたくなるのだ。今回のこととてそうだ。正しいとわかっていても、そこに正義をちらつかせられば、まるで骨をぶら下げられた犬のごとくに走っていってしまう。
自分でも、その性格故に、女だてらに武芸を嗜んでいたが故に担ぎ上げられた御輿であることは承知していた。その御輿の上に乗せられたまま、はしごを外そうとしている輩が居ることも。だから、座して居るままではいられなかったのだ。
以下展開メモ
スライム系鎧に入って陵辱の限りを尽くす。
できあがったところに黒幕。
やられそうなところでキベロノィさん颯爽登場。
バカめ、これは姫の心をより打ち砕くための計略よ。
ああっ姫申し訳ありませんンデモギモヂイイッ!
やめなさいキベロノィッ! ンデモギモヂイイッ!
よしそこまでだ、キベロノィを殺せ。
なぜ、あなたの目的は私でしょう?
ほうこいつの命乞いをなさるのならご自分でその淫獣を以下略
くっ(以下略
姫様どうか(以下略
悔しいけど感じちゃう(欠伸
国破れて触手在り
「あっ、やあ、杏子っ!」
「んっ、ひっふぉひへふぉよ」
さやかの股間から生えたそれはまさに男根そのものだった、杏子もこの状態になったものをこんなに間近で見たことはなかった。矜恃として、そして父の教えとして、魔法少女になっても貞操を守り抜いてきたのだから。本当は、こんな穢れたものを口に含むことなんて、するはずもないのだ。
「い、いひぅ、なに、なにこの感じ。……うぁ……せつない……なんか身体全部が……そこに集まって壊れちゃ、あっ、ああっ!」
――神よ、許したもう。
杏子はそれに舌を絡めていく。これは、使い魔ではない。男根を模した穢れでもない。さやかの魔力を吸い取ろうとする敵で、さやかを助けるために仕方なくやっているのだから。きっと許される。そう信じて口をすぼめ、律動する。
「んっ……ちゅ……んくっ……ふぁ」
「は……はぁ……はぁ……」
さやかのものと、杏子の唾液が杏子の舌にかき回されていく。その水音と、異物を口に出し入れしている杏子の吐息、奉仕されているさやかの息づかいが聞こえる。ずっと文句を口にし、抵抗していたさやかが静かになったのに違和感を覚えて、杏子が目を上げる。
杏子はたまらず口を離した。
「さやか……お前……」
視点を定められず、手を祈るように組み、涎を垂らして震えていた。そして、涙さえ。
「あぅ……あっ……や」
「だ、大丈夫かさやか……わ、悪かったよ……」
「ど、どうしてやめ……謝るの?」
「さやか……」
さやかのこの世ならざるーーいや、もうここが既に常軌を逸した場所ではあるがーー場所に合わされていた視点が束の間、元に戻る。
「ごめん、ごめんね。あんたにこんなことさせて……」
さやかがバランスわるくかがむと同時にさらけ出されたままの股間にぶらさがるものも下がる。杏子の視点までおりてきたさやかの身体はやっぱり震えている。眠そうな目と、媚薬のように湿った息の香りに杏子はふと怯えた。
「あたし……今ね……」
「さやか、いいから立てよ。あとちょっとの我慢だから、さ。だろ?」
うん。と返して、さやかを立たせると、また目のまえに屹立が聳えている。きゅっとツバを飲み込んでまた、それを咥えようとする。
「……かわいい」
杏子は丁度咥えたところで、もちろん耳を疑った。こいつ、もう脳まで侵されちまったのか! と戦闘態勢に入るべく、目を動かした。
しかし、さやかは変わらず「どうしたの?」みたいな顔で杏子を見下ろしていた。その顔は、杏子が知るどのさやかよりも慈愛に満ちた笑みをたたえて居た。
「あっ……」
湿った声だ。
杏子は目を落とす。
ーーーー
杏子が態勢を変えると、股間にぶるりと寒気がした。
「……ち」
濡れているのだ。
頬に血が登る。下を向いて歯を噛み合わせる。使い魔が模した男性器を咥え、友人の恍惚を見て下着を汚した。魔法少女になったというのに。この肉はもはや、本当のものではないのに。なのに、内側に火が灯ったかのように、熱い。血が流れている。あれを飲み込んだ胃と臍の下からこみ上げる熱を帯びた怖気。それは背筋を通って、杏子の脳に至る。
「あ、あああ、ああっ!」
震えが足の指先から発し、一気に、脳天の上まで走り抜けると、全身の水気がかきだされたようにじわりと流れ出してしまう。それと同時に杏子は、始めての絶頂を迎えていた。脱力感。そして、違和感。股間の重み。全身の血がそこにあつまってしまったかのような、鈍い、痛み。漂白剤のごとし香り。液体が気化して冷えていくその部分は自分を構成していた魔力が集められて、冷える先から熱を持っていく。それが手に取るようにわかるのに、杏子はただおろおろと、その現象におののいていた。
股を守る薄布を、それに引っかかりながらおずおずと下ろしていく。下ろしたくなんかなかった。杏子はさやかに悪いことをしたと思う。こんなものが、突然ついていて「しっかりしろ」だなんて、どの口がいえることなのか。
同じ男根がしっかりと、杏子の股座に生えていた